ハワイクルーズ航海記



9日目(2003.10.18)


最後の晩餐 (寄港地:カウアイ島)
寄港地と寄港地の距離がそんなに長くないので、スピードもそんなに速くなく航行しています。よって揺れも控えめです。それでも早朝にはナウィリウィリ港に入港です。カウアイ島が最後の寄港地となります。これで主だったハワイ諸島の島々を巡ったことになります。ナウィリウィリ港にはもう一隻客船が停泊していました。あちらもかなり大きな客船です。

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ナウィリウィリ港 停泊中のクルーズ船

カウアイ島では「ワイメア渓谷とシダの洞窟巡り」ツアーに参加です。入港後、早速ツアーへ出発。まずは、ワイメア渓谷へ向かいます。聞いたところによると、グランドキャニオンにも劣らない渓谷であるとのこと。グランドキャニオンは空から見るのが一番良くて、ワイメア渓谷は地に足をつけて見るのが一番良いそうです。

ワイメアキャニオンに向かう途中お土産屋に寄ったのですが、財布を船内に忘れた事に気付きました。船内ではカードキーさえ持っていれば財布を持ち歩くこともなく、常に金庫に入れておいたので持ってくるのをすっかり忘れてしまいました。今日のツアーは食事付きで、水を持って歩いていたので特段困ることは無いのですが、最後に払うチップはどうしようかと今から心配になってしまいました。まぁ、チップの件は最後になるまでは忘れることとして、それまでは観光に専念することとします。

島沿いの国道から右に折れて、くねくねとした山道を登ることおよそ20分。州立公園ワイメアキャニオンに到着です。駐車場からちょっと登ったところにある展望台から見える景色は日本では見ることが出来ないスケールでした。何が違うのだろうと考えたら、渓谷を彩る色が違うからだと思いました。ここでのメインは赤茶色で、数百万年かけて溶岩台地を浸食し、このようになった地形は圧巻でした。こうなったら是非本家本元の?グランドキャニオンへも行かねばなりません。

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ワイメアキャニオン 
その1
ワイメアキャニオン 
その2
ワイメアキャニオン 
その3

ワイメアキャニオンへの後は昼食へ。カパアビーチ沿いにあるホテルでバイキング。言わずもがな、アメリカナイズな内容です。その後はワイルア川下りからシダの洞窟を巡るコースです。ワイルア川下りへ向かう道すがらでも運転手氏は言っていたけれど、カウアイ島ではいろんな映画の撮影が行われているそうです。最も有名なのがジュラシックパークで、それ以外にも「ここは○○の映画のロケ地だ」とか「ここは△△の映画のロケ地だ」などといくつも紹介していました。

ワイルア川下りの終点のさらに奥にある「シダの洞窟」は、かつて王族の結婚式や集会が行われた神聖な場所で、うっそうとした原生林の中にあります。観光客は徒歩や車で直接行くことは出来ず、観光案内船か自ら漕ぐカヌーでしか行くことが出来ません。下流の桟橋から洞窟の入り口にある桟橋まで20分程、そこから10分ほど歩いて洞窟に到着です。洞窟の奥行きは5m程で、その天井からは無数のシダが垂れ下がっています。ここまで生えると圧巻で、以前は神聖な場所だというのも何となく分かる気がします。

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ワイメア川 シダの洞窟

上流の桟橋と下流の桟橋を往復する観光船では往きまたは帰りのどちらかでハワイアンを奏でるグループが乗ってきて歌を歌います。

カウアイ島はハワイの主要8島の中で一番古く約400万年前に海底火山の噴火によって出来たそうです。年間に多いところでは15,000mmもの雨が降り、手つかずの自然が多く残る島で屋久島のような感じがしました。夕方前には港に戻ってきましたが、朝入港していたときにいた客船はもういなくなってしまいました。次の寄港地に旅立っていったのでしょう。

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ナウィリウィリ港 出航
写真にある通り、S字になった湾内を
縫うようにして船は出て行きます

今日の夕食が最後の晩餐になるので、行ってみたかったイタリアンレストラン「ラ・トラットリア」を前もって予約しておきました。ラ・トラットリアは人気のようで、満席で断られることが多かったのだけれど、レストランの予約レセプションに何度も行く内に担当の人と顔なじみになって、最終日の予約を何とか取ってくれました。

味付けも割合控えめですし、ここが一番日本人にはあうような気がします。コースをそのまま頼むと、前菜→サラダ→スープ→メイン→パスタ→ピザ→デザートの順になります。量はやはり日本で食べるよりは多いので、コースの内容を選択するときに一つ二つ減らすと良いかもしれません。われわれは、パスタとピザをひとつずつ選んでそれぞれをシェアたいとウエイターにお願いしました。ワインのことはあまりよく分からないのですが、グラスで$5〜9前後でした。折角ですから、ウエイターお勧めのワインを食事と一緒に頂くことにします。

食べ始めたのがちょうど18時頃で、その頃にナウィリウィリ港を出港しました。港のすぐそばに空港があって、船の真上を着陸寸前の飛行機がかすめていきました。夜が明けてしまえばホノルル到着、即ち下船です。最初は一週間をどう過ごそうか悩んでいたのに今となってはあっという間に時間が過ぎてしまって、もう一週間乗っていても足りないくらいに感じています。楽しい時間は過ぎるのが早すぎます。

夕食後は最後のショーです。ショーの最後に船長をはじめとする航海スタッフや食事担当、清掃担当、サービス担当等ありとあらゆるクルーの面々がステージ上に登場しました。船長の挨拶が終わる頃には、乗客がスタンディングオベーションで登場したクルー全員を労っている様を見て、「やっぱりアメリカだなぁ」と妙に感動してしまいました。

クルーは基本的に3ヶ月乗務しっぱなし(その間は船内暮らし)で、その後1ヶ月ほどの休暇を取るというサイクルで働いているそうです。いくら巨大とは言え、限られた船内という空間での労働は厳しいと思いますが、常に彼らスタッフ全員が心がけているであろう常に笑顔の接客には頭が上がる思いです。

下船のため、24時までに荷造りをしてスーツケースを廊下に出しておかなければなりません。いつの間にか増えた荷物をまとめるのは難儀でした。どうにか時間ぎりぎりまでに仕上げましたが、終わったら急に疲れが出てしまってすぐに寝てしまいました。



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